隔靴掻痒気味の決算審査

9月21~28日の土日祝を除く5日間、2020年度の決算を集中審議する特別委員会が開催されました。

健康福祉部、都市整備部などの所管部ごとに区分して事業実施・決算状況を見ていくのですが、1区分の各委員の質問持ち時間の目安を30分とする取り決めがあり(1日に2,3区分)、もう少し突っ込みたいところで突っ込みきれなかったり、時間の制約で取り上げられなかった項目があったりしました。

予算や決算の特別委員会では、他の委員の質問に刺激されて複数の委員で質問を深めることに意味があります。
そうした場面がほとんどなく終わった今回は、「4年の任期の最初の特別委員会だったから…」では済まされないものも感じました。

◆◆ 決算意見 ◆◆
前年度に済んだことを振り返るのが決算審査ですが、振り返りが2022年度の予算編成・市政運営への提言となることが重要です。
9月28日の最終日には、特に提言したい項目を選んで意見開陳を行いました。

私は7項目で意見を述べました。
スマートシティの取組の進め方について
スマートシティの取組は、自治体間の競争に勝ちぬくことや鎌倉市を足場に活動する企業が世界的な競争に挑むために進めるのではなく、鎌倉市の身の丈に丁度あった技術を、市民の生活に資するように用いるものとする。
デジタル化を通して収集される情報は企業が独占することなく、市民のコントロール権が及ぶものとする。そのようなスマートシティのモデル構築は一朝一夕にできるものではなく、市民合意の形成を図りつつ慎重に進めることを求める。

 

平和推進事業を広げることと深めることについて
平和推進事業は、平和が脅かされた歴史を真摯に学び、今日の社会において何が平和を脅かしているのかを深く考える企画を行う意味でも、行政だけで抱え込まず、若年層枠を設けるなどの工夫も加えた上で市民による実行委員会を年度ごとに組織し、協働で実施すべきである。

 

避難行動要支援者の支援策について
避難行動要支援者名簿を受け取っている自治町内会は相当数に及んでいるが、名簿に基づく支援の検討は、自治町内会により様々である。
今年3月、「個別避難計画の作成を市町村の努力義務とする」ことが閣議決定された。市町村および取り組む自治町内会にとっては作業的な負担が大きいが、崖崩れや浸水、津波などの災害リスクが高い地域においては、より具体的な地域の避難計画をつくることと個別避難計画の作成が同時に進むことが望まれる。

 

子どもたちの放課後の居場所について
放課後かまくらっ子は2020年度に全小学校での実施となった。個性の異なる子ども達がそれぞれに安心し、できる限り快適に過ごせる放課後の居場所となるよう、指定管理者による運営の状況をよく把握し、子どもたちを主体と捉えて施策と向き合うことを求める。
地域において、放課後かまくらっ子以外の多様な放課後の居場所があることも望むところである。

 

以上のほか意見を述べたのは次の項目です。
○会計年度任用職員の制度について

○国際交流推進事業における内なる国際化・多文化共生の視点について

○歴史的風致維持向上計画について