立地適正化計画・村岡新駅(年度末を振り返りる―その2)

鎌倉市立地適正化計画(概要版 p.1,4)

立地適正化計画は、人口減少局面でも持続可能な都市経営をはかるために国土交通省が2014年に創設した制度です。鎌倉市は2019年から検討をはじめ、2021年度末に策定、この4月1日に公表しました。

先ずは、市ホームページ掲載の「概要版」↓をご覧ください(p1, 4は冒頭にも掲示)。
Microsoft Word – 01_鎌倉市立適_概要版_最終 (city.kamakura.kanagawa.jp)

計画の方針は、1 都市機能誘導  2 居住誘導  3 交通ネットワークの3本です。

「概要版」を見た時に目が行くのは、①鎌倉駅周辺 ②大船駅周辺 ③深沢地域国鉄跡地周辺 の3拠点が都市機能誘導区域に設定されていることかもしれませんが、3拠点の位置づけはこの計画以前からありました。
むしろ注目すべきは、人口密度を維持することにより、生活サービスやコミュニティが持続的に確保されるようにはかる居住誘導区域にどの地域が設定され、どの地域が設定されなかったか、ということです。

結果的に、市街化区域内のうち工業専用地域 災害ハザードエリアで危険性の高い箇所 都市計画公園・緑地その他の「まちなかの緑」 を除いて、ほぼ目いっぱい居住誘導区域に指定されました。

居住誘導は緩やかだが…
居住誘導区域外で一定規模の建築行為や開発行為を行う際には、法に基づき市への届出が必要となり、市は必要に応じて勧告をすることができます。誘導区域外から区域内への緩やかな居住誘導をはかる仕組みになっています。

とはいえ、現実として居住誘導区域内にも災害ハザードを有するエリアが広く存在します。
国は2020年9月に都市再生特措法を改正し、立地適正化計画の策定にあたり防災指針に関する事項を記載するものとしました。

防災指針は下記サイト掲載の「統合版」の第6章です。市域全体の災害ハザードについての新たな知見を記したものではありませんが、災害ハザードの全体と市の考えを整理して示しています。
鎌倉市/鎌倉市立地適正化計画の策定について (city.kamakura.kanagawa.jp)

過去の一般質問での提案
私は、2020年12月議会で立地適正化計画について一般質問を行い
誘導区域外で届け出の対象となる開発行為・建築行為を行おうとする事業者等に対し、情報を提供するとともに、開発や建築の計画が固まる前の段階で相談を受け付ける機能を持つ窓口を設けること
都市機能や居住を誘導すべきエリアで小さな敷地単位で低未利用地が散発的に発生する「スポンジ化」現象を防ぎ、斜面地住宅団地の人口密度および生活の利便性の低下を回避する多様な対策を講じること
などについても取り上げました。
計画ができて以降の取組みにおいて、必要な視点だと思っています。

 

 

村岡新駅の設置についての基本協定

3月28日、神奈川県・藤沢市・鎌倉市は、JR東日本(株)と 東海道本線大船・藤沢間村岡新駅(仮称)設置及び自由通路整備に関する基本協定書 を締結し、3県市同時に記者発表を行いました。
鎌倉市/JR東海道本線の大船駅と藤沢駅間における村岡新駅(仮称)の設置及び自由通路整備に関する基本協定書の締結について (city.kamakura.kanagawa.jp)

3県市とJR東日本は、2021年2月8日に「新駅を設置することに合意し、覚書を締結」しています。「新駅設置で合意」が、大きなステップを1段のぼったことを意味しましたが、その後1年余を経て、協定の締結に至ったということです。

覚書が「新駅の設置」に関するものであったのに対し、協定書は「新駅の設置及び自由通路の整備」に関する協定になっています。
新駅設置費用の負担割合は覚書記載と同じく、県30.0% 藤沢市27.5% 鎌倉市27.5% JR東日本15.0% で、自由通路整備事業については「藤沢市が負担する」と記されています。2023年度までの2カ年で、新駅と自由通路の詳細設計を実施するとのことです。引き続き注視していきます。