新庁舎整備の基本計画と市庁舎現在地利活用の基本構想(6月議会 振り返り⑤)

本サイト6月24日付記事の続きです。
6月17日開催の建設常任委員会では、新庁舎整備の基本計画素案と市庁舎現在地利活用の基本構想の素案について報告がありました。

本庁舎等整備基本計画(素案)概要版・抜粋

委員会では、両素案に目を通して特に気になった以下の点について質疑を行いました。

新庁舎等整備基本計画素案についての質問(1)
新しく整備する本庁舎は①窓口機能 ②事務機能 ③議会機能 ④防災拠点機能 ⑤交流・創造機能 を備え、「その他機能」として、消防機能(大船消防署・消防本部と深沢出張所を統合)および深沢図書館・深沢学習センターを本庁舎に複合化する―とされています。

Q. 「学習センターと地域図書館が『地域拠点校』へ複合化できるようになるまでの間、新庁舎に深沢学習センターおよび深沢図書館を複合化すします」とあるが、深沢行政センターはどうなるのか。
A. 新庁舎整備基本計画に基づき取組みを進めると、支所・図書館・学習センターの機能は現在のところになくて済み、公共施設再編計画で言うところの「余剰」になったと考えられるので、(別途)有効な活用をしていくことになる。

コメント】 現在の深沢行政センターにある機能が新庁舎に集約化されればセンターは余剰施設になり、転用または売却という「有効活用」をすることになる、との答え。
地域拠点校構想がうやむやになっている現状で「地域拠点校へ複合化できるようになるまで」と記述し、「有効活用」という含みを持たせた言い方をしているのは、明快な説明ができる段階ではない、ということか。

新庁舎等整備基本計画素案についての質問(2)
●基本計画素案の大きなポイントは、比較検討の結果、基本設計先行型・官民連携手法 (維持管理を含む設計施工一括発注等)を有力な事業手法として挙げていることです。
●官民連携手法としてはDBO方式(民間事業者にD:設計・B:建設・O:維持管理を長期契約で一括発注する方式。資金調達は市が実施)またはPFI-BTO方式(民間事業者が設立する特別目的会社が市とのPFI事業契約に基づいて、施設をB:建設し、施設完成直後に所有権を市にT:移転して、O:維持管理を行う)が有力であるとしており、両方とも、庁舎および土地は市所有のままになります。
●この官民連携手法における民間事業者の業務範囲に「基本設計」を含めるかどうかの検討において、素案では基本設計の次の段階の「実施設計」以降を対象とする「基本設計の先行分離発注」を採用するとしています。

Q. 基本設計を先行分離発注する手法を採用する理由としては、深沢地域整備の進捗状況を見るということと、市民・職員の意見を聞きとって反映させることができる期間をなるべく長く取るということが大きいのか。
A.  指摘されたとおりの視点によるが、もう一つ付け加えると、国の行政DXの考え方、自治体DXの進捗などをギリギリ(のタイミング)まで見た上で建物の設計に生かすためにも、基本設計を含めた一括発注とはせず、分離発注したいと考えたものである。

【コメント】 挙げられた理由は筋が通っているが、さすがに「市役所の位置を定める条例」の制定の前に基本設計から実施設計・建設工事・維持管理までをひっくるめた契約を結ぶわけにはいかない、ということか。

 

現在地利活用基本構想についての質問(1)
御成町の現在地から市役所が移転した後の用地利活用について、『ひらいて むすんで 知恵うむ“ふみくら”』というの基本理念が示されました。
整備する施設は、①行政サービス機能 ②中央図書館機能 ③ホール・ギャラリー(生涯学習)機能 を備えるとし、今後も導入を検討する機能として、④その他の公共機能(観光紹介、防災に寄与する機能) ⑤民間機能 ⑥広場等オープンスペース があがっています。

Q. 手続きや相談といった行政サービスについては、支所と同等以上になるよう整備するとのことだが、「支所と同等以上」というのは、人の配置も含めてどういうことになるのか。
A.  現在地の利活用については、新庁舎開庁(2028年)後に施設の工事を進めていって開設に至るので、(相当の年月を経た)その時に「どういう行政サービスのあり方がふさわしいか」ということもあり、確定的なことは述べていない。ただ少なくとも現在の各支所は300㎡くらいの専用部分があることも踏まえ、そのあたりの規模感・職員配置などからしても満足いただけるものを詳細に検討していかなくてはならないと考えている。

現在地利活用基本構想についての質問(2)
Q.  鎌倉生涯学習センターのホール・ギャラリー機能を複合整備し、生涯学習を推進する拠点とするとしているが、同センターの集会室の機能は移さないのか。
A. 公共施設再編計画の中では、鎌倉生涯学習センターの「ホール・ギャラリー機能は鎌倉地域の既存公共施設用地等に移転し、多機能と複合化した生涯学習の拠点として整備する」、「残る機能は地域拠点校へ複合化する」とされていたところ、本庁舎の移転ということを決めたので、ホール・ギャラリー機能は現在地への集約化をめざしている。
集会室機能は、図書館や行政機能をどうつくるかによって、会議室(集会室)スペースも関係してくるので、どう連携させるかを考えていくことになる。

【コメント】 鎌倉地域の公共施設の再編については、少し前までは「鎌倉生涯学習センターの機能を別の場所に移し、移した先で複合化をはかれば、同センターの施設を廃止することにより土地の賃料の支出がなくなる財政効果がある」と説明されていた。今回の答弁からは、同センターの施設を廃止するのかしないのかも、集会室の機能をどこに移すのかもわからなかった。

現在地利活用基本構想についての質問(3)
Q. 市民活動の拠点、まちの賑わい創出、鎌倉の街を元気にする拠点という方向性の中で、市民活動が行われるスペースを設けるということが大事だと思うので、集会室機能も第2分庁舎にある市民活動支援のNPOセンター機能もここに統合することが望ましい。基本的に(図書館を核に)市民活動の大きな拠点を作っていくことだと思っているが、いかがか。
A. 基本構想に続けて基本計画づくりを進めていく中で事業手法の確立を考える必要があり、その中で民間スペースを入れていくバランスもある。もちろん市民活動の拠点、市民に誇れる施設づくりも外せないと思っている。引き続きそのバランスを考えながら基本計画を検討していく。

 

現在地利活用基本構想についての質問(4)
Q. 敷地に対してどのようなゾーニングでやるかというシミュレーションパターンを示した箇所で、公共と民間との面積の比率が36:64と書かれている。この場所では高層化はできないので、民間に入ってもらうと言っても、大きな収益が上がる建物にするのは難しく、公共の部分をしっかりとっていくことが大事だと考える。36:64は、この場所に持ってこようとしている公共施設の現有面積の合算を公共部分の面積と仮定して出した比率だということでよいか。
A. レイアウトをイメージするための仮定の数値として使用している。

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新庁舎整備基本計画と現在地利活用基本構想の素案に対する委員会での質疑は、おおよそ以上のようなものでした。

新庁舎を深沢地域整備事業用地で整備することへの賛否のポイントを、現在地に整備する複合施設のありように置いている立場からすると、現在地利活用の基本構想はまだまだ漠とした部分が多く、判断材料としては未成熟です。特に鎌倉地域の公共施設再編計画との関係が見えてきません。

今年度、市議会議員になって9年間所属していた総務常任委員会を離れて、建設常任委員会の所属になったのは、委員会において判断材料を得る質疑を重ねる必要があると考えたからです。

 

パブコメに御意見を
両素案についての意見公募手続き(パブリックコメント)の期間は7月10日までです。
様々な角度からの意見が多数寄せられることが大事だと思います。
鎌倉市/鎌倉市新庁舎等整備基本計画(素案)及び鎌倉市市庁舎現在地利活用基本構想(素案)への意見募集について (city.kamakura.kanagawa.jp)