ごみ処理広域化実施計画(素案)-低調だった市民説明会
鎌倉市がごみ処理広域化実施計画(素案)を策定したのを受け、説明会が開催されました。
https://www.city.kamakura.kanagawa.jp/skensetsu/gomishorikouikika.html
ごみ処理広域化の覚書から3年余を経て示された実施計画(素案)
鎌倉市は、2016年から逗子市・葉山町とのごみ処理広域化の検討協議を行ってきました[下記②]。
検討協議を始めた時点では、山崎浄化センターの未利用地に名越クリーンセンターに代わる新焼却施設を建設する計画を持っていましたが[①]、建設候補地の地元の合意が得られないまま足踏み状態となり、2017年11月、鎌倉市は逗子市・葉山町に対し「鎌倉市の可燃ごみを、名越クリーンセンター停止後は逗子市のクリーンセンターで燃やすこと」を広域化の検討協議の項目に加えることを要請[③]、この項目が加わったことにより検討協議はなかなか先に進まなくなりました。
2019年3月末、鎌倉市は「新焼却施設を建設しないで安定したごみ処理体制を目指す」という内容の方針を発表しましたが、ごみ処理広域化実施計画を同時に公表するには至りませんでした[④]。
その後、議会に対しては「ごみ処理広域化実施計画(たたき台)」(2019年7月2日付)が示され、内容が追加された「実施計画(素案)」が11月28日に策定されたという経緯です。2市1町の広域化検討協議会ができてから紆余曲折の3年半が経ちました。
参加者があまりに少なかった市民説明会
鎌倉市は、来年1月から1ヶ月間「素案」に対するパブリックコメントを実施した後、年度内に「ごみ処理広域化実施計画」を策定することを目指しており、実施計画(素案)の市民説明会が、12月21日(土)、商工会議所地下ホールで開催されました。
外部のファシリテーターや司会者を用いずに、環境部の部長と環境施設課長が直接説明し、質問を受ける時間にもある程度余裕があった進行の仕方(説明内容ではない)はよかったと思いますが、定員150人の会場に集まった市民は約30人。周知不足(周知しようとしなった?)のせいなのか、関心の低さのあらわれなのか、とにかく参加人数の少なさには驚きました。
ごみ処理をめぐる状況が、今どうなっていてこれからどうなろうとしているのか、あまりにもわかりにくいので、市民の関心が呼び覚まされようがないのか。
<これまでの経緯>
2013年3月 「鎌倉市ごみ焼却施設基本構想」
2013年12月 新焼却施設の用地選定作業を開始(※1)
2015年年4月 山崎浄化センター未活用地を最終建設候補地とすると公表。①
2015年度 名越クリーンセンター延命化工事完了(10年間稼働させ2025年に焼却停止)
2016年3月 「鎌倉市ごみ焼却施設基本計画」
2016年5月 鎌倉市・逗子市・葉山町ごみ処理広域化検討協議会を設置 ②
2016年7月 鎌倉市・逗子市・葉山町でごみ処理の広域化に係る覚書を締結(※2)
2017年10月 市長選
2017年11月 広域化検討協議会で、鎌倉市の可燃ごみの逗子市焼却施設での焼却処理についての検討・協議を鎌倉市が要請 ③
2017年12月議会 市長が「(建設候補地の地元との)協議の幅を広げる、その上で一定の結論を出す」と表明
2018年2月議会 「2017年度中に結論を出すことが難しい」と答弁し、結論を1年先延ばしにする
2018年8月 広域化検討協議会で2018年度中の処理広域化実施計画策定を確認(結局策定に至らず)
2019年3月26日 市議会全員協議会で「将来のごみ処理体制についての方針」を提示 ④
2019年11月28日 鎌倉市・逗子市・葉山町ごみ処理広域化実施計画(素案)
2019年12月21日 実施計画(素案)説明会
(※1)生活環境整備審議会に市民が参画した「鎌倉市ごみ焼却施設用地検討部会」を設置し検討。
2次選定で野村総研跡地、深沢地域整備事業区域内市有地、山崎浄化センター未活用地、深沢クリーンセンター用地の4箇所を建設候補地として比較検討。
(※2)逗子市の焼却施設と鎌倉市の新焼却施設の1ブロック2システムを前提