施行規則に条例の重要な部分を委任しているのに、規則を一緒に示さないのはおかしくないですか?

 

三寒四温ですが、花屋の店先はすっかり春めいて。小さいブーケを買って本棚に。

改正案は現在作成中
 3月12日が最終日となるはずだった鎌倉市議会予算審査特別委員会は、本日14日も延会となり、再開は18日(火)です。

 12日の理事者質疑の最後は、「廃棄物の減量化、資源化及び処理に関する条例」の改正についてでした。今年10月からの家庭系一般廃棄物の有料化実施を盛り込んだ改正案です。この条例案では、
「市が定期的に収集、運搬及び処分をする家庭系一般廃棄物(規則に定めるものに限る。)を排出する場合は、規則で定める収集袋(以下、「指定収集袋」という。)を使用しなければならない。」
と規定しています。ところが、副委員長が、「改正条例の制定に伴う規則の改正案」を委員会の審査資料として提出するよう求めたところ、
「規則の改正案は、現在作成中であることから資料として提出できません」
という回答でした。そこで副委員長が、有料指定袋に入れて出さなくてはならない対象品目が特定されなくては、議会のチェック機能が果たせない、と市長を追及しました。
 
これに対し市長は、
「他市の同種条例においても処理対象廃棄物についての文言の規定を施行規則や処理計画に委ねており、
鎌倉市の改正条例案もそれと同じであり問題はない」
と答弁し、質疑は終了しました。

顧問弁護士の見解確認を求める
 しかし、他市の事例は既にある規則や処理計画に委ねるとしているのであり、まだできていない規則の改正案に委ねる
というのとは異なります。納得できないと考えた私は、市の顧問弁護士に確認を求める動議を出しました。この動議に委員会の総員が賛成、翌13日が、顧問弁護士の見解確認のために費やされました。

 そして、本日お一人の顧問弁護士の次のような見解が示されました。
「条例で原則を定めたうえで、例外のあることを条例上明らかにし、その例外を規則の定めに委任するのは、ごく一般的な立法技術である。規則案がある方が望ましいが、これから作成するにしても、これまで市が示してきた内容を変更することは政治的にできないのではないか。立法的には問題はない。」
 
前半は一般論でこちらも承知していることです。後半の「規則案がある方が望ましいが…立法的には問題はない。」の「…」の部分のつながりが、これではわかりません。あることを慮っているのは確かです。

ごみ処理基本計画との辻褄あわせは?
 以前に「有料化と戸別収集を切り離して進めることはできないのか?」と問いかけた時の当局の答えは、「それはできない。昨年6月議会に示した『ごみ処理基本計画(中間見直し)再構築』を変更することになるから」というものでした。何かを慮っている本日の弁護士見解は、ごみ処理基本計画の内容と「現在作成中」の条例施行規則改正案中で「指定袋に入れて出す」とされるものとの間の齟齬を、いみじくも語っているのでしょうか。

 委員会の日程を延ばしてしまうのは本意ではありませんが、処理手数料に関わる部分が不明瞭な改正条例案を通すわけにはいかないため、弁護士照会の趣旨を書面化して、3人いらっしゃる顧問弁護士全員の見解を求めるよう再要請しました。この問題は、条例の構成の不備だけでなく、条例提案をめぐる、市の自己矛盾を照らし出すものです。