鎌倉市のごみはどこへ? ~ 「ごみ処理広域化実施計画(素案)」パブコメ実施中
覚書から3年半、「ごみ処理広域化実施計画(素案)」公表
鎌倉市は、2016年5月に逗子市・葉山町と「ごみ処理広域化検討協議会」を設置、同年7月に覚書を締結し、連携して効果的・効率的にごみ処理に取組む「ごみ処理広域化実施計画」の策定を進めてきました。
この間、鎌倉市は、行政計画に位置付けた山崎浄化センター未利用地での新焼却施設建設を進めることが全くできませんでした。
そして、2019年3月末、新焼却施設を建設せずに2市1町の広域連携と資源化の推進で持続可能なごみ処理を行うという「将来のごみ処理体制についての方針」を公表するに至りました。
鎌倉市の方針は、広域連携を踏まえたものであるので、普通に考えれば、それまで検討を重ねてきた「ごみ処理広域化実施計画」と同時に公表されるべきものでした。
しかし、① 鎌倉市の名越クリーンセンター稼働が停止する2025年度以降に鎌倉市の可燃ごみを逗子クリーンセンターで燃やす場合の同センターの焼却可能量や ② 同センター稼働可能期間、③ 2市1町圏域内の資源化施設・中継施設等の配置(どんな施設をどこで引き受けるかという負担の配分)などについての協議が整うまでにはさらに時間を要しました。
結局、鎌倉市・逗子市・葉山町が「ごみ処理広域化実施計画(素案)」を公表したのは11月28日です。
年明けの1月6日からこの「素案」についての意見募集(パブリックコメント)が実施されています。募集期間は2月5日までです。多くの意見が寄せられ、計画に反映されることが望まれます。
http://www.city.kamakura.kanagawa.jp/skensetsu/gomishorikouikika.html
ごみ処理広域化実施計画には多くの懸念が
神奈川ネットは、ごみ処理広域化実施計画には次のような看過できない問題があると考えています。
1) 複数の施設整備が地元同意を得て進み、処理・資源化を委託できる民間事業者が確保できることを前提とした計画だが、前提の一角が崩れれば多様な処理手法の複雑な組み合わせによるごみ処理体制は立ち行かなくなってしまう。
2) 逗子クリーンセンターでの焼却可能量に合わせて可燃ごみの減量化を進めることになっており、その決め手となるのが生ごみ資源化施設の整備であるが、収集・処理方法の適切さの確保、住民合意、市民の分別収集への協力等において数多くの懸念があり、広域化実施計画の早い段階における開始が予定されている施設整備で、先に進められない状況がある。これは、計画全体に影響する。
3) 逗子CCの稼働可能期間は概ね2034年までとされ、それ以降は2市1町の圏内に焼却施設はなくなり、可燃ごみは自区外処理・資源化となる。そのための中継施設は鎌倉市が市内に整備するものとされ、中継施設のあり方も将来的に大きな問題になると推測される。
また、鎌倉市内はおろか将来的には2市1町の圏内にも焼却施設がなくなるのは、災害発生時の災害ごみの処理において明らかな後退である。
地域配布の「まちづくりレポート」最新号の特集記事は「鎌倉市のごみはどこへ?」です!