GIGAスクール構想を問う (3)

2月13日の本会議では、GIGAスクール構想を鎌倉市の小中学校で展開するための経費を含む補正予算案に賛成しました。
採決に先立ち、構想に賛同できない立場から議案質疑を行い、子どもたちに体調不良が生じた場合は学校設置のWi-Fiネットワークの電波の影響を疑う「モニタリング」的な姿勢で臨むことを教育部に求めました。

補正予算には、GIGAスクール関連経費だけでなく他の必要な経費も含まれており、またGIGAスクール関連の補正予算を通さないと国の補助金が降りてこない仕組みになっているという事情がありました。
「鎌倉市はGIGAスクールはやりません」と言うことであれば、国からの補助金 云々も何もないのですが、閣議決定から市が補正予算案を組むまでに1か月ほどしかなく、市民の意向把握も市議会での議論も全くされていない状況では、市にGIGAスクールをやらない判断を迫るのは難しかったです。

 

それでも粛々と補正予算をつける必要はなかったか?!
しかし、本会議で補正予算案が総員賛成で可決した後になって、次のような情報を収集しました。
◇ 世田谷区のBYOD施策
GIGAスクール構想には加わらず、各自が自宅の機器を学校に持ち込むBYOD(bring your own device) という区独自の施策を掲げている。
各デバイスのセキュリティー・レベルを合わせることや、プラットホームになる共通アプリが必要であるため、2020年度予算案には6,494万1千円の経費があがっている。GIGAスクールの経費に比べればずっと小さいことに注目。下記 図参照。

◇ 指定都市市長会の緊急要望
1月30日、千葉市長と浜松市長が萩生田文科大臣にGIGAスクール構想に関する緊急要望書を提出。
児童生徒数が多い指定都市では巨額の経費が必要となることから、事業期間の延長や、更新費用等への補助、WAN回線部分を国庫補助の対象とすること等を要望。(教育家庭新聞 1月30日記事)

◇静岡県市長会も納得せず
静岡県市長会の定例会合で、各市長から「拙速すぎる」「財政負担が大きい」などと批判や不満の声が続出。
市の補正予算で関連経費を措置するかどうかを判断するためにも、市長会として4月の次回会合で文部科学省の説明を求めるべきだとの考えで一致。
(静岡新聞 2月11日記事)https://www.at-s.com/news/article/education/735820.html

神奈川県内の市長も静岡県市長会のように「ちょっと待って」と声を上げる意義は大いにありました。
世田谷のBYODのサムネイル