生涯学習センターどうする問題を引きずる新年度予算審査

3月7日から続いた予算等審査特別委員会は本日14日が最終日でした。
付託された議案の質疑は先週中に終わっており、今日は 理事者質疑¹➡ 予算修正動議²・提出者に対する質疑➡ 各議員の意見開陳➡ 委員会としての意見の取りまとめ➡ 議案採決➡ 付帯決議案の提案³ と進みました。

予算等審査特別委員会(2022年3月8日)

理事者質疑 ¹
岩岡教育長に生涯学習センターの管理運営について質しました。
利用区分の見直しは利用希望の充足率を高めるためだが、使いやすくなった利用者がいる反面使いづらくなった人もいて、トレードオフになっていることは認める
従来の利用者を犠牲にして潜在的利用者の発掘をはかるような意図はない
改正条例による利用区分を10月1日から運用するが、一定期間続けたのちに利用者の意向を調査し、再び利用区分の見直しを行うことはありうる。その判断は、しばらく利用状況を見てからでないとできないと考える
― と言った趣旨の答弁がありました。

 

一般会計予算に関する付帯決議の提案 ³

神奈川ネットは、改正条例で規定された利用区分は、利用団体等のニーズを考慮しないものであるため、変更が必要だと考えています。
しかし、理事者質疑で「市民のニーズ把握調査の実施を約束してほしい」と訴えたことに対し、教育長は時期を明言しませんでした。

そこで、「10月1日から半年を経た時点で利用者・利用団体・未利用の市民を対象に利用実態・利用区分の使いやすさ・予約の取りやすさ等についてのアンケート調査を必ず行い、利用区分の再度の変更が必要であると判断された場合は速やかに変更を行うことを求める」付帯決議案を提案しました。

令和4年度一般会計予算案の「付帯」決議案なので、本体の議案可決後に文案を読み上げましたが、提案に反対の委員があり、委員会として最終本会議(3月18日)に提出することにはなりませんでした。別途議員提案の形で最終本会議にかけることなります。

 

一般会計予算修正案 ²

理事者質疑の後、共産党の高野委員から一般会計予算の修正案が提案されました。

新年度予算の生涯学習センター管理運営事業費のうち、指定管理者選定委員会委員報酬(10万4千円)と施設予約システム改修委託料(571万3千円)を減額するもので、利用時間の区分が変えられてしまうと困るという声が多く出されていることから、一旦立ち止まらせるために行う予算減額提案であるとの説明でした。

一旦立ち止まらせたいという思いは共有していますが、この修正案には賛成しませんでした。

<修正案不賛成の理由>
① システム改修費には12月議会の補正予算で債務負担行為(当該年度以降の支出の義務付け)が設定されており、「普通地方公共団体の義務に属する経費」にあたることから、議会が削除または減額の議決をしても市長はそれに縛られずに経費を支出することができる(地方自治法177条)。
よって、提案のあった修正案では「一旦立ち止まらせる」ことができない。

② 一方、指定管理者選定委員会委員報酬には債務負担行為は設定されていないため、修正案が可決すれば、こちらの経費だけ減額され、選定委員会を開くことはできなくなる。
但し、改正条例にある指定管理者導入規定は存続している。
修正案を可決させた場合の成果は、指定管理者選定委員会を宙ぶらりんの状態にするというものでしかない。

※予算修正案は賛成者2名で少数否決となり、最終本会議にかかります。

 

まだまだ続く論議
この間、生涯学習センターの管理運営をめぐっては会派・議員間で様々な論議があり、先週末から急遽生涯学習センター条例改正案(12月議会で「改正」された条例を再度改正するもの)提出の準備もされています。内容的には利用区分を12月改正条例前の規定に戻すことに絞ったものになります。
神奈川ネットはこちらの改正案には賛成する方向です。

ただ、12月以降の経緯で市民ニーズの多様さも明らかになっており、従前の利用区分が最適であるとは言い切れないため、一定期間運用後に利用者・市民の意向調査を行うことを求める前述の付帯決議案は、条例改正案が可決されても否決されても有意義であると考えています。

なお、委員会での議案採決では、一般会計予算案(原案)にも賛成しませんでした。
最終本会議では、反対理由を述べる討論を行います!